放課後に置き忘れた金の鎖の話
左足首のアンクレットを外せないのも、下戸なのにジントニックが好きなのも、香りに執着するのもみんな全部この本のせい↓
高校生の頃に読んで一度手放したけれど、結局買い直した
今も本棚にある
ああいう経験はしなかったけれど、思い出が詰まったアルバムみたいな感じがしてすごく愛おしい
なんだろう、空気感というより温度感をすごく感じる
気温じゃなくて体温
短編集で各話にそれぞれ主役の女の子がいて、みんな性格も容姿も違うけれど、1人の人間の色んな側面を見ているような感覚になるからかな
あの子達に共通しているのは『群ない』ところ
だからかな、全員を通して1人の人間のように感じるのは
みんな色々なことがあるけれど、やっぱり自分が思う通りにしている
爽やかさとは違うけれど、さらっとした感じ
でも冷めているのではなく、体の奥にほんのりと熱があるような
それと、主人公の彼女には名前がなくて、解説?にも傍観者であるって書いてあったけれど、そういう適度な距離感がドライ過ぎず、かと言ってウエット過ぎることもなく、この作品独特の温度を作り上げているのかもしれない
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カナの金の鎖はどちらの足首だったか忘れたから読み返したら、どちらとも書かれていなかった
手首に巻かれた金の鎖も読み返すまですっかり忘れていた
記憶とはかくも曖昧なるものかな笑
手首に巻かれた金の鎖で思い出したけれど、この本を読んでカナの真似をしてブレスレットを纏って学校に通っていたの
カーディガンの裾を引っ張って手首が見えないようにして
金の鎖は持っていなかったから、その頃気に入っていたシルバーに深い深い海色の小さなクロスがついたブレスレットを手首に巻きつけていた
しばらくはそのブレスレットを身につけていたけれど、大学生の頃に安い金の鎖を買って、そうこうしている内に母からもうつけないからってお古の金の鎖をもらった
多分祖父母が買ってあげたんだと思うけれど
その頃にはこの本のことなんて忘れていて、たまにつけるだけになっていたけれど
そういうこと全部読み返して思い出した
ちっちゃなときめく思い出を放課後のほんの少しの時間の中に置き忘れてきたのかもしれない
やっぱりこの作品が愛おしい