恍惚美術館

美しい世界の向こう側を覗きたい

掌の上で転がされる宇宙 - フェッセンデンの宇宙を読んだ話

もうあまり本を読まないけれど、今年読んだ中で一番良かったのは、エドモンド・ハミルトンの『フェッセンデンの宇宙』

セーラームーンに登場する天王はるか様が子どもの頃にお読みになったとのこと(セーラースターズ第2話のはず)、これは読まねばと思って読んだらすごく面白かった!

 

短編集で、文庫よりシリーズ奇想全集の方が収録話数が多いんだけど、こちらも絶版になっているからまた新しく出してほしい(Amazon等で買えますが)

あんまり書くとネタバレになるからやめておくけれど、フェッセンデンの宇宙みたいにこの宇宙って誰かの掌の上で転がされているんじゃないかなってたまに思う

こう書くと孫悟空みたいだけど

マトリックスもある意味そんな感じよね

自分の預かり知らぬところで実は誰かにコントロールされているような

 

学術的な宇宙論は全然知らないし、自分が生きている間に解明されるとも思わないけれど、なぜこの宇宙が存在しているのか、本当の一番最初の始まりはなんだったのかっていうのは知りたい

多分最終的には神的な存在を持ち出さないと説明がつかないんじゃないかとも思うけれど

自分やこの世界(宇宙)の存在そのものを疑いそう

なんかこの本を読んでいてそんなことをチラッと考えた

 

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火星に行った話みたいなゴリゴリのSFもあるし、追放者みたいな幻想文学的な作品もあったり結構バラエティに富んでる

それが緩急つけるというか読みやすさに繋がっていると思う

もうサックサク進んであっという間に読み終わっちゃったし、いかにもSFな作品が苦手な人でも楽しめるんじゃないかな

 

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風の子供が好きなら『蜜蜂職人』、翼を持つ男が好きなら『肩甲骨は翼のなごり』も気にいると思う

系統が近いから

あとインターステラーとか好きな人も楽しめると思う

色んな人に読んでほしいなぁ

楽しかったもの

 

 

早くページを捲りたいと思わせる本に久しぶりに出会った。