恍惚美術館

美しい世界の向こう側を覗きたい

99 + 1

おばあちゃんの誕生日だった

 

100歳

 

今はいないけど

 

あとちょっと、一ヶ月もなかったのにいなくなった

お祝い何がいいかなって色々考えてたのに

神社で元気になるようにお願いしたのに

 

お盆の最終日にいなくなった

 

もしかしたらおじいちゃんがあっちに帰る時に一緒に行ったのかな

 

…勝手に連れてくなよって思ったけど

まぁなんだかんだ仲が良かったのかもしれない

 

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数年前に突然電話してきて、私のことを

『特別』

って言ってくれた

母はそろそろお迎え来るんじゃないの?って言ったけど(←失礼な)

自分はすごくすごく嬉しかった

そんなこと言ってもらえたの初めてだったから

というか、後にも先にもこの世界で私を特別だと言ってくれたのはおばあちゃんだけ

その時はびっくりやら気恥ずかしいやらで言えなかったけど

おばあちゃんは私の特別

あとね、大好きだよ

これも言えてなかったから

もうちょっとこっちにいてほしかった

 

 

 

とまぁ書いたけど、しおらしさとは正反対で

病院から脱走したり(仲の悪い近所のおばさんに電話して車で迎えに来てもらったらしい。伯父が家の様子を見に行ったら鍵開いてるから泥棒かと思ったら、二人で呑気にお茶飲んでたそうな)

遺影に40年前の写真を選んだり(もはや別人)

結構しょうもない人だったけど

でもやっぱり好き

 

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今日電車を待っていたらちょうちょが飛んできた

おばあちゃんが畑で育てたお花みたいな橙色のちょうちょ

あれ、おばあちゃんだと思う

ちょうちょって亡くなった人の魂なんでしょ?

よー知らんけど

そういうことにしておこう

 

おばあちゃん、誕生日おめでとうね